バター

　その昔，虎が気の周りを回転してバターになるという物語がありました．
これでピンとくる人はあの話かと思うはずです．
いつの間にか語られることのなくなったあのエピソードです．

　さてこの話ですが，この部分だけ聞くとまず第一には「あり得ない」と感じると思います．
そもそもなぜバターでなければいけなかったのかということになるのだろう．
　虎が木の周りを走って回転してバターになる．
特に外から何かの力が加わったという訳でもありませんので，相当数の虎がバターになる力を秘めていることが予想されます．
自らの生み出す力でバターとなったということを考えればそういうことになってしまうだろう．

　しかし，これは考え方によっては「変身」だったということも言える気がしてきました．
非常識には非常識，非常識を常識にする価値観でみてみると．
仮面ライダーはベルトの風車を回転させることによって仮面ライダーに変身する設定だった筈．
少し前に歴代仮面ライダーを集めた番組でそういうことを言っていたので，少なくとも初期の設定は間違いが無いだろう．

　こう考えると，あちこちに生息する虎がただそれだけではバター化しないことも納得．
・動物園の飼育係の人が朝，檻の様子を見に行くと虎の姿はなく巨大なバターがあった．
・朝起きると，家の前に巨大なバターがあった．
等ということは単なる虎には起こらない．

　なにかすっきりしした．

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